第5章 ブーゲンビリア-Fseries-
「なら…入れさせろ」
「え…?」
俺、どうしちゃったんだろ…?
普段ならこんな言い方しないのに。
なぜだかちょっと凶暴になってるようだった。
落ち着け。俺。
「もう入りたい…」
「さ…としくん…」
キスしながら自分のジーパンのボタンを外して、ファスナーを下ろした。
急いでオレを出すと、翔ちゃんのむき出しの腿にこすり付けた。
「も…我慢できない…」
「…ん…」
恥ずかしそうに俯くと、俺の肩に額を付けた。
「きて…」
翔ちゃんの、甘い甘い、同意の声は小さかった。
聞き取れないほど、小さい声だった。
なのに俺の耳はそれをしっかり捉えて、そして瞬時に身体が動いた。
翔ちゃんの腰を掴むと、ぐるんって向きを変えて。
流し台に手を付かせた。
初めてだからベッドに行こう、とか。
優しくしよう、とか。
もうそんなのぶっ飛んで、頭の中に欠片もなかった。
もうここで、入れてしまいたい。
精子をぶっこんでしまいたい。
俺のオレを手で持つと、翔ちゃんのソコに擦りつけた。
ぬるり、ぬるりとオレを導くようにソコは滑ってる。
「ねえ…翔ちゃん…」
「な…に…?」
「初めて?」
「や…もお…聞かないで…」
嫉妬で、震えそうになった。
誰か…誰か、この体に触れたことのある奴が、居るんだ。