第5章 ブーゲンビリア-Fseries-
「どうかしたの…?お腹痛いの?」
「うっ…ううん。そうじゃないの。なんでもないの。ごめんね」
そそくさと、楽屋の自分の定位置へ戻ると、必死で下半身をなだめるため、釣りの動画をスマホで見た。
精神統一…精神翔一…
「翔一って誰だよっ!」
「うわっ…なんだよ!?大野さん!」
「へっ…あ、ご、ごめん…」
隣に座ってうたた寝してた松潤が飛び起きるほどのボリュームだったらしい。
「なんだよ…大野さん様子おかしいよ…?」
「この人の様子がおかしいのは今に始まったことじゃないでしょ?」
笑いながら寝っ転がってゲームしてる(まだしてんのかよ)ニノが、チャチャを入れてくる。
「いや…ここんとこ富に酷いよ?なんか悩んでんの?」
「い、いや。そんなことはない。ああ…素晴らしい真鯛だ…こんな鮮やかな赤色で…食べちゃいたい…」
赤色を、食べる…
赤色って、翔ちゃんの色…
翔ちゃんを、食べる
「ぬあーーーーーーっ!?」
「うあっ…な、なに!?何が起こったの!?」
向かいのソファでニノを枕にして寝てた相葉ちゃんまで飛び起きた。
「え?なに?リーダーの声?どうしたの!?」
「え…あ…すまん…なんでもない…寝て?」
「え…?なんなのもおう…」