第5章 ブーゲンビリア-Fseries-
「ん?なんか言った?」
隣に座ってた松潤がこっちを見た。
「んーん…なんでもない…」
「大野さん…いつにも増してボケっとしてっけど、ちゃんと起きてる?」
「起きてらぁ…」
ガシガシと顔を両手で掻いたら、向かい側のソファから苦笑が聞こえてきた。
「リーダー。それ駄目なときのやつ」
「んふふ…出たよ。眠いんじゃない?あなた…」
相葉ちゃんがソバをすすりながらこっちを見てる。
ニノが寝っ転がってゲームしながら笑ってる。
「うるせえやぁ…」
また顔をガシガシと両手で掻いたら、頭上からなにか降ってきた。
「うわっ…」
「ぶーっ…」
「何、今の声…」
目の前が真っ白になって。
「な、何だ!?」
それを取ってみたら、タオルのおしぼりだった。
キンキンに冷えている。
「智くん…それで顔拭きなよ…目が覚めるよ?」
顔を上げると、にっこり笑った翔くんが俺を見下ろしてた。
「あ、ありがと…」
「ふふ…収録までには目を覚ましてね?」
そう笑って、翔ちゃんは向かいのソファに座った。
ふんわりと、いつも翔ちゃんのつけてる香水の残り香…
「おっ…」
やべ…もぞもぞしてきた…
膝をこすり合わせてなんとか逃そうとしたけどだめで。
「う…」
「う?」
「うんこいってくる」
「…いってら…」