第2章 ローズ・マダー
「他の人…居るでしょ…?」
翔の動きが止まった。
そのまま僕は、なんとか壁に手をついて立ち上がった。
翔の手からお湯が出たままのシャワーヘッドを取り上げると、身体に掛けて。
洗い終わったら、ふらつきながら浴室を出た。
身体を拭いて、そのまま脱衣所を出た。
玄関に散らばったままの服を着て、翔の部屋を後にした。
翔は追ってこなかった。
それが、すべての答えだった。
夏の間…
メンバーと顔を合わせることはあっても、誰もあのことについて触れてこなかった。
相葉ちゃんは、いつも何かいいたそうにしてる。
松潤は、いつも通り…だけど、前よりも優しい。
ニノは、なにか別のこと考えてるみたいだった。
翔は…
いつも通り。
あの日から、二人で会うことは拒否してた。
でも、翔は諦めないでずっとコンタクトを取ってくる。
マンションの前で勝手に待ってることもあった。
気づいたときは、ホテルに泊まったりして回避できたけど…
気づかなかったときは、部屋に引きずり込まれて…
暴力は、振るわなかった
前よりも、優しく…
何も言わず…
僕のこと、朝まで抱いた
そんな日々が続いて…
夏も終わろうとしている頃、松潤が僕の部屋に来た。