第4章 シュプリーム
どこで…見たんだっけ…
ワインのボトルを持ったまま、ぼんやりと考える。
楽しそうな…きらきらした…
少年みたいな…透明な目…
ぽろり
涙が溢れた
そうだ…あの目は…
ぽろぽろぽろぽろ。
勝手に涙が出てくる。
俺よりもずっと年上なのに
少年みたいに笑うんだ
子供がすきで
動物がすきで
無心なものがだいすきで
でもそれよりも女のひとが大好きだったけど…
人が大好きで
人を笑わせることが大好きで
人を楽しませることが大好きで
人を喜ばせることがなによりも好きで
こんなふうに
いつも笑ってた
「相葉ちゃん…?」
おーちゃんが気づいて、体を起こした。
暫く涙が止まらなくなってしまった俺を見ていたけど、静かにワインのボトルを取り上げた。
カタンと音を立てて、ガラスのテーブルの上に置く。
それから、ティッシュの箱を俺の前に置いた。
「…泣いちゃえばいいよ…」
そう言うと、俺の肩に手を置いた。
その手が、とってもあったかくて…
ますます泣けた。
「ああ…もう…ティッシュじゃ足りないな…」
おーちゃんは立ち上がると、リビングを出ていった。
戻ってきたら、手にタオルを持っていた。