第4章 シュプリーム
「きれーだなぁ…」
若干酔っ払ってるおーちゃんは、ふにゃふにゃとガラステーブルに顔をつけてグラスを眺めてる。
「きれーだねぇ…」
真上から見るグラスの中のワインは、キラキラして…
本当に宝石みたいにきれいな色だった。
「なんかさあ…」
ふにゃふにゃしながらおーちゃんは俺を見上げた。
「こんなこと言ったら、相葉ちゃん笑うかもしれないけど…」
「ん??」
「おれぇ…きれいなものを見ると、心がすごくきれいになる気がするんだよね…」
「おお…」
「…すごーく透明な海の青色とか…グラスについてる水滴の光とか…」
普段あんまり、こういうこと言わないのに。
なんだか今日は、おーちゃんご機嫌なのかな?
「田舎とかさ…ロケ行った時、すごくきれいな夕焼けとかみると…なんか、すごーく…心がきれいになった気がしてさ…」
「うん…なんか、わかる気がする…」
「海に…釣りにさ、行くのも…そういうきれいなもの見たいからかも…」
「船からの眺め、めっちゃきれいだもんね」
「うん…ふふ…」
おーちゃんは起き上がると、ワインを少しだけ飲んだ。
「…なんかさ…」
「え?」
「きれいなもの見てると…泣きたくなるときがある」