第4章 シュプリーム
「ぶっ…」
「だあって!一人でこんな高級なもの飲んだって楽しくないだろ?」
「いやそうだけど…」
確かにそのワインは、ちょっと古くて…
値段とかよくわからないけど、高そうに見える。
「それにこんなに一人じゃ飲みきれないしさあ…」
「でも、いいの?せっかくのワイン」
「いいのいいの。メンバーが遊びに来ることなんて滅多にないんだから」
そう言って、ワインのボトルを手に取った。
「んじゃ、開けるよ…」
「うんっ」
ソムリエナイフまで松潤はプレゼントしてたらしい。
おーちゃんちにそんなものがないことを見越しているなんて…さすが松潤だ。
それを使って、ふたりで四苦八苦しながらなんとかワインのボトルを開けた。
ワイングラスじゃないんだけど、なんかそれっぽいガラスのグラスをおーちゃんは用意してくれた。
それにゆっくりとワインを注ぐ。
「わあ…すごい綺麗な色…」
おーちゃんが顔をガラステーブルにつけるようにして、グラスを眺めてる。
「ホントだ…なんか赤色が鮮やかだね」
普段見かけるワインの色よりも、若干赤くて透明。
すごくきれいなルビー色のワインだった。
グラスを手にとって、上から覗き込む。
光を反射して、グラスのワインは波立った。