第4章 シュプリーム
お酒やらなんやら準備してたら、結局飲み始める頃には18時ごろになっていた。
「よーし!乾杯!」
「乾杯っ」
リビングのガラステーブルに、料理とつまみを並べて。
料理が取りにくいから、ラグの敷いてある床に座って飲み始めた。
「んー!ビールうまっ!」
「まだちょっと外が明るいのに飲むの、なんか申し訳ないね」
「またあ…相葉ちゃんったら…」
「え?なんかおかしなこと言った?」
「もう今日は、仕事終わったんだからいいのっ!もうアフターなんちゃらなの!」
「あ…あふたーなんちゃら…?」
アフター5のことかな…
俺たちサラリーマンじゃないんだけど…
「それより、食べよ?この美味しそうなの…」
「あ、うん」
取り分け用の小皿に、オーブンのお皿のまま持ってきたイワシの香草パン粉焼きを盛り付けた。
おーちゃんは小さめの小鉢に、なめろうを盛り付けてくれた。
「レモンを絞って、っと…」
イワシに回しかけて、さっそくふたりで食べてみた。
「んまあ…!!」
「うまーいっ!!」
パン粉がカリッと香ばしく、香草の香りでイワシの生臭さも消えてるし。
レモンの酸味がいいアクセントになってて。
「これは久しぶりにヒットだなあ…」
「むふふ…こんなの一人だと作ろうと思わなかったから、俺、得しちゃったあ」
おーちゃんがお箸を口に入れたままニマニマしてる。