第4章 シュプリーム
で、結局ね…
なんもやることなくって。
しょうがないから夕飯のメニュー決めようってことになって。
おーちゃんちのキッチンに入れてもらった。
「おお…結構きれいにしてるね?」
「だって、魚捌いたら一面スプラッタになるから…ちゃんと掃除しないと凄いことになる」
「なるほど…」
「で、お魚はこれ…」
おーちゃんがキッチンの右側に置いてある冷蔵庫の、冷凍室を開けた。
「これなに…?」
「イワシ」
「これは…?」
「コノシロ」
「あっこれは…ヒラメ?」
「これ、カレイ」
「そうか…」
包丁王子なのに、失敗した。
「これだけあるけど、お刺身なら俺作れるけど…他の料理って、松潤みたいにできないよ?」
「そうだよね。俺も刺し身とか中華ならなあ…」
なんかでも、こんな新鮮な状態で冷凍してあるのに、刺し身以外食べられないのはちょっと残念。
「スマホで調べてみる?」
「んだねえ…」
で。適当に調べて…どれも難しそうだったけど、簡単にできそうなものもいくつかあった。
「この、イワシの香草パン粉焼きって美味しそうじゃね?」
「あ、おいししょう…じゅるっ…」
もうよだれ出してるよ…
「でも、香草とかパン粉ないよ?」
「じゃあ、買い出し行くかあ…」