第4章 シュプリーム
部屋に入ったら、そこは寝室だった。
クローゼットを開けて、中の引き出しが出っぱなしになってる。
おーちゃんはその中からいくつか服を出してくれて。
当ててみて大丈夫そうなものを借りることにした。
グレーのスエットの下を借りて。
地味な色の長袖Tシャツを借りて。
下着も借りて。
「おおー…」
服を着たら、おーちゃんが感嘆の声を上げている。
「…なに?」
「いや…やっぱ、相葉ちゃんスタイルいいから、何着てもかっこいいよね」
「は?」
「だって、それ。俺が着たら、足んとこガンダムみたいなルーズソックス状態になるもん」
「ぶはっ…」
「笑い事じゃねえんだよ?」
「ぶぶぶぶ…」
ぶちぶち言いながら、おーちゃんも部屋着を着込む。
テロテロの長袖Tシャツに、これまたグレーのスエット。
「でも、おーちゃんは猫背直せば、すっきりした体型してるから、着こなせると思うよ?」
「俺にそういうの求める?」
「いーじゃん!求めても!」
「できねーもん!」
ぷりぷりしながらクローゼットをバタンと閉めた。
「大体、猫背だって直さないとさ」
「えー?」
「ニノがあれだけ頑張って猫背治そうとしてるじゃん?」
「まーそうだけどぉ…」
将来腰が曲がるってトレーナーさんに言われて、渋々今運動してんだよね。アヤツ。