第4章 シュプリーム
「そうだねえ…変わらないもの…見えなくっても、変わらずそこにいるものって、貴重だよねえ…」
「んふ…だからさ。相葉ちゃん」
「ん?」
「きっと…変わんないと思うよ?」
「…なにが…?」
「天国…行っても。あの人ならきっと変わらないと、俺はそう思ってるよ」
それだけ言うと、立ち上がった。
「服、着よっか。冷えてきたっ」
ペタペタと足音を立てながら、リビングを出ていった。
「…そっか…変わんないか…」
天国に行っても、きっと変わらないで
ニコニコ笑って…しょうがねえなあって言いながら
俺たちのこと、待っててくれる
だから、安心しろってことなのかな。
不器用なおーちゃんらしい…謎掛けみたいな励まし…
「ふふ…」
なんだか、笑える。
一生懸命考えてくれてたんだろうなあ…
「あいばちゃーん!」
リビングの外から、俺を呼ぶ声がする。
「ふくー!どれがいいか選んでー!」
「…はーい!今行く!」
俺もペタペタ音を立てて、リビングを出た。
廊下に出ると、途中のドアから顔を出してる。
「こっちこっち」
「おう!」
「サイズ合うかな~?俺、足短いから…」
「ぶっ…」
…おーちゃん…
ありがとう…