第4章 シュプリーム
「ん?どーした?おーちゃん」
「…いやさ…なんか、俺…最近思うんだけど…」
「うん?」
「こういう、日常の小さな楽しみってさ…しあわせだなあって思うんだよね…」
「小さな楽しみ…が、しあわせ?」
「うん…」
ちょっと苦笑いして、ファンタのボトルを手に取った。
「こいつもさ、俺達が小さい頃からずーっとあるじゃん?そういう変わらないものも、すごく実は貴重でさ…しあわせだなって思うんだよね。こういうものがあるのって」
「うん…」
「俺達も、変わらないじゃん?」
「うん。そだね…」
そりゃ、子供の頃からずっと一緒にいるから、お互いに大人になったなあとか、老けたなあとか思うことはあるけど…
基本的な関係とか…性格とか。
全然変わってないよねって話は、メンバー間でよくしてる。
「マウンテンデューだって、アンバサだってさ…日常の風景の中からは消えたけど、でも実はずーっとあったんだよなあ…」
おーちゃんは愛おしそうに、ファンタの文字を撫でてる。
「見えなくても変わらない…もの。それも、なんかしあわせだなってさ」
くしゃっと笑いながら俺を見た。
「おーちゃん…」
なんか…何いってんだかよくわからないけども…
おーちゃん、俺のこと励まそうって一生懸命喋ってくれてるんだなって。
そう感じた。