第4章 シュプリーム
「なあんで仕事でもないのに…」
「でも…おーちゃん、足の裏…ねばねばってない?」
「ぬ…」
「なんなら、股間もなんかコーラ臭くね?」
「くちゃい…おしっこファンタなのに…」
「ファンタオレンジねっ!…ってオイ」
それ病気の色だろ!
「えー?」
「早くお風呂入っちゃったほうが、ねばねば取れるよ?」
「むー…」
家主よりも早く風呂に入るのは気が引ける。
でもどうしてもおーちゃんは譲りそうになかったから、仕方なかった。
言い出すと頑固なんだもん。
「わかったよお…」
そう言いながら、おーちゃんはお風呂のリモコンの給湯キーを押した。
楽しげな音楽が鳴って、浴室からじょばーっと水の出る音が聞こえてきた。
「じゃあ、洗濯するから…相葉ちゃんのも出して?」
「えっいいよ!?」
「だってシミになるよ?いいの?」
「あー…」
「ほら、洗濯と乾燥は日立のドラムくんがやってくれるんだから、遠慮しないで」
「はあい…」
持ってた紙袋の、更にビニール袋に入れてた稽古着を出した。
「う…コーラくちゃい…」
「ね…やっぱなんか薬品くちゃいね」
まだじめっと濡れてる服を、洗濯機に放り込んだ。
「じゃあ、もう入っちゃおうか…」