第4章 シュプリーム
「おじゃましまーす…」
「どーぞー」
おーちゃんちは久しぶりに来る。
一昨年…みんなでいろいろ話し合ってた時期に、メンバーと一緒に来て以来だった。
玄関の三和土は広くて。
隅のほうにスリッパ(結局靴はマネに持って帰ってもらったから、これしかなかった)を脱がせてもらうと、おーちゃんはもう既に廊下をスタスタ歩いて行ってた。
廊下の途中のドアに入っていくと、なにやらゴソゴソしてる音が聞こえてきた。
「おーちゃん?」
廊下を歩いていって、ドアを覗き込んだ。
そこは洗面所だった。
広い洗面台の横にはドラム式の洗濯機が置いてある。
どうやらその奥はお風呂みたいだ。
「先にお風呂はいる?ベタベタでしょ?」
洗濯機に服を放り込みながら、おーちゃんが俺を見上げた。
「あ、うん。おーちゃん、先に入りなよ」
「え?いいよ。相葉ちゃん、お客さんだし」
「いやいや。家の主が先に入りなよ」
足の裏が微妙にねっとりしてる…
なんかこんなんで部屋を歩くの申し訳ないな…
そう思ってたら、おーちゃんが俺にバスタオルを差し出してきた。
「ん」
「え?だからおーちゃん先に…」
「いいよ。相葉ちゃん先に…」
「んもー…じゃあ。一緒に入ろ?」
「はあ?」
おーちゃんの能天気顔が一気に曇った。