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魔入間短編

第4章 私の(カルエゴ)



カルエゴside

抱え込まれて、そのまま、抱き枕のような扱いになった。

これでは先輩にされている嫌がらせとそう変わらないではないか。
必死にオペラから守ってあげると言うミユキの行動が柄にもなく好印象だったのに。

……しかし、何やら不思議に、優しい匂いに安堵してしまうのは何故だ?
寝ないはずが、瞼が重くなる。
よし、終末日の宿題を増やそう。
この、嫌がらせの仕返しに。

意識は遠退き、心地いい眠りへとカルエゴは誘われた。
その数時間後、使い魔効力はきれ、カルエゴは悪魔の姿に戻った。


枕が違うからか、寝入る前に、違う場所で寝たと言う意識が有ったからか、何時もの起床時間より数十分早く目覚めた。

「!?」

目の前にほんのり柔らかい何かがあり、むせるくらいの甘く芳しい匂い。
寝る前の自分がどんな体勢だったか思いだし、認識した。

「Ψ(///д///)Ψ」

そう、カルエゴはミユキの腕の中に顔を埋めているのだ。
まさか、使い魔の身体で抱き抱えて寝られてしまった体勢が、解除されて、顔がホールドされた形になるなど、
慎重に起こさないように腕の中から脱出する。

はあはあはあ。
心臓が持たん。
行儀が悪いが、窓から帰ってしまおう。

帰る前にちらりとミユキを見た。
幸せそうに寝ている。
柔らかくて、良い匂い。
腕の中に包まれていた感覚がブワッと思い出されて、
女なのだと認識したら、
ほんのり開いた唇が目に入って、細く白い首がうまそうに見えた。
邪な考えを追い払うため、頭を振った。
目の前にいるのは生徒。
私は、教師だ。
断じて間違いなど起こすものか。
はだけた毛布をかけ直してやる。

ミユキに近づくと、また、良い匂い。
とうとう誘惑に負けて、ミユキの頬にキスを落とした。
はっと、我に帰り、これ以上ここにいたら色々と不味いと思い返し、窓から逃げる様に帰った。

暫くカルエゴはミユキの事をところ構わず思い出してはモンモンしていたそうな。
そして、ミユキは睨まれる原因に心当たりなどなく、不思議そうに首をひねっていたのだった。

人のきもしらないで。

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