第2章 秘密のお茶会
はぁ、はぁ、はぁ、
ここまでくれば大丈夫?
走って、走って、
後ろから誰も来てない事を確めた。
人間界で、異性関係で怖い目にあった時のトラウマがある私は、異性に対して、萎縮してしまうようになってしまった。
告白してくれたが、断った。
話したこともない、悪魔。
好きな人が居るから、と断ったが、納得いかないとか言われて、強引にキスされそうになり、蹴りを入れて逃げてきた。
怒らせた?
でも、怖かった。気持ち悪かった。
逃げてきたのは、中庭で、
中庭は何故か入ったら駄目だった気がした。
「おい、何をしている?」
「あ、カルエゴ先生!」
ビックリした。
誰も居ないと思っていたから。
「ここは、生徒は立ち入り禁止だ。」
「す、すみません。あの、苦手な人から逃げていて、認識不足でした。すぐ出ます。」
汗だくで、それなのに、顔色が悪い。
「待て、慌てる必要はない。許可があれば入れる。座れ。」
どうせ、読書をしていただけだ。
隣に座るように促した。
「は、はい。」
何処からか取り出したポット、魔茶を注いだコップを渡され、飲むように進められた。
「飲め。菓子もある。食べろ。」
「……い、頂きます。」
「……怯えずとも良い。とって食ったりはしない。」
怯えていることは気が付かれていた。
「す、すみません。」
「私が恐いのか?それとも、異性が恐いのか?」
「…ど、どっちもです。」
「…そうか。私にぐらいは慣れてもらわんとな?」
「…ぜ、善処します。」
「ふっ、よろしく頼もう。」
顔が見れなくて、反らしたままで会話してた。
申し訳なくて、最後に、視線を顔に向ければ、
丁度、見た顔が薄く笑った顔で、
ドキッとした。
が~お~が~お~🎵
チャイムがなった。
「……こんな時間か。私は、そろそろ行くが、お前はどうする?」
「あ、えっと、もう少し休んでいきます。」
「そうか。なるべく早く帰れよ?」
「は、はい。」
去っていくカルエゴ先生の後ろ姿を見送る。
あ、カップ返し忘れた。
気がついた時にはもう姿は見えなかった。
中身もまだ残っているし、早く帰れと言われたから、飲み干したら、カップは持って帰って、洗って返そう。
魔法がちゃんと使えたら便利だな。
少し、冷めた魔茶をすすりながら、言い知れない幸せに浸っていた。