• テキストサイズ

魔入間短編

第20章 サプライズ(本誌ネタバレ)



どのくらいかな?
カルエゴ先生が続きの言葉を紡ぐのを待ったが、
なかなか続かない。

あ、とか。
う、とか。
何かを言い出そうと口を開くが、
言葉になることがなくて。

「先生?」

じれったい。
様子から、怒られるような案件では無いと思われるので、先を促す。

「…はぁ。
これを。」

大きなため息をついて、腹をくくったと言う諦めた感じで、
手のひらに収まるくらいの小さな箱を差し出してきた。

「これは?」

何だろう?
新しい課題の教材かな?

「…………お前の頑張りに対しての、
褒美だ。」

ほんのり、赤みの差したカルエゴ先生の顔色に、
照れをみた。

「……あ、ありがとうございます?」

つられて、照れてしまった。
でも、頑張りに対しての褒美、とは。
???

「…はぁ。
不甲斐ない師ではあるが、
師は、弟子が活躍したら評価してやり、
誉めてやるのが責務。
これは、その為の贈り物だ。」

照れはなくなり、優しい表情で私をみてくるカルエゴ先生。

「///////(///ロ///)/////////」

もう、言葉になりません!!
茹で蛸よりも赤くなって、
鼻血が出そう……
先生、その顔は卑怯です。

「お前の助けになれるように、俺の力が及ぶ範囲で指導していくつもりだ。
これからも、よろしく。」
「は、はい!よ、よろしくお願いします!」

ポンッと、頭をなでられ、突然のデレに、
心臓が、痛いです……

「でわ、また、学校で。」
「はい。」

部屋を出ていったカルエゴ先生。
本当なら、見送るのが筋だけど。
デレに、動けなくなってしまって、受け答えだけで精一杯。
先生が居なくなった途端、腰砕けで、その場にへたりこんでしまった。

「な、何ですか、それぇ~」

まだ、心臓はドッドッドッとなってるし、
血が沸騰しそうなくらい体が暑い。

「…先生は何をくれたのかしら?」

気持ちを落ち着かせようとプレゼントの中身を確認してみることにした。

「キャッ!!」

箱の中からは小さなピンキーリングが出てきて、
キャパシティを越え、ブラックアウトです。

無意識でやってるなら、相当の策士悪魔ですよ。


ピンキーリングをチェーンに通して、
いつも首にかけている。
何時でも肌身外さず。
それは、誰も知らない。
カルエゴ先生も。
私だけの秘密。

/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp