第20章 サプライズ(本誌ネタバレ)
ある日、何の前触れもなく
カルエゴ先生が訪ねてきた。
部屋まで案内してきたオペラさんは、
何でか、ニヤニヤしてる。
反対に、先生は、何時も以上に、土気色。
「先生大丈夫ですか?
具合が悪いのなら、お帰りになった方が、」
「いや、……オペラ先輩にからかわれて疲れただけだ。」
「そんな!心外ですよ!」
「オペラさんは、もういいですから、出ていってください!」
「……かしこまりました。」
強めに言ってしまったが、
先生の話を聞くにはオペラさんはいない方がいいと判断した。
あからさまに、
落ち込んでる。
耳が垂れ下がり、尻尾もしょんぼり。
哀愁漂う後ろ姿で、部屋を出ていった。
ごめんね、オペラさん。
心のなかで謝っておく。
「申し訳ありません。
それで、ご用件は何でしょうか?」
「あ、いや。…その、」
何だろう?
普段のカルエゴ先生からすると、
とんでもなく、挙動不審?
まるで、慌てる入間みたい。
使い魔も、主人に似るのだろうか?
クスクス笑えば、
「……何がおかしい?」
考えてることが見透かされたのかと、一瞬思ったが、
良からぬ事で笑われたのがわかる程度だと思われる。
「あの、何だか、エギィちゃんみたいだなと、思って。」
つい、ポロッと言葉が出てしまった。
「なぁ!?バカを言うな!?
だ、誰が、ふわもこのカラスだ!」
おやおや、怒らせてしまったようだ。
誰も、「ふわもこのカラス」だなんて言ってないのだけどなぁ。
エギィ(クララ命名)=ふわもこカラス
との方程式がカルエゴ先生の中には何となく、あるらしい。
過敏に反応するほど不名誉なことらしいが、
そんなに怒らなくても良いような気もする。
「申し訳ありません。
それで、本日はどのようなご用件ですか?」
エギィちゃんの話題が出てると話が進まないので、
話題チェンジ。
「………それは、」
「それは?」
何だか、言いにくそうにしている。
何でだろう?