第18章 付き合ってからのホワイトデー
カルエゴside
入間はミユキに何やら注意されているようで、
意気消沈してしまった。
すっかり、落ち込んでしまった入間の耳元に顔を寄せるミユキ。
何やら、耳元で囁かれて、
「先生!僕、急用を思い出したので失礼します!」
一喜一憂して、部屋を飛び出していった。
「何だったんだあれは?」
呆気にとられていると、
ミユキが近づいて来て、
「入間の欲しいものが部屋に置いてあると教えただけです。
前々から欲しがってたものだったので。」
それが何かは教えてくれなかったが、
危機は逃れられたと思うので、
「では、今のうちに出ようか。」
「今からですか?」
「ああ。(入間の)あの様子だと、時間が経てば経つほど、連れ出すのが難しそうだ。」
オペラ先輩に目配せすれば、うなずいたので、
予定通りに連れ出すことにした。
「では、暫くお預かりします。」
「くれぐれも、ミユキ様に傷一つ着けずにお帰し下さい。」
「その辺はわきまえてます。さあ、行くぞ。」
事前に用意されていたミユキの(オペラが用意)旅行用荷物を受け取り、空いている手はミユキの手をとり、邪魔が入らないうちに旅行に出る。
目的地は温泉街。
二泊三日の小旅行。
で、冒頭の「入間が厄介だった~」からここに続く。
まさか、社交辞令だと思われていたとは。
不甲斐ない。
もう少し、彼女には俺の実行力を知ってもらわねば。
「楽しみです♪」
「楽しみにしてろ。お前が好きそうなものがみれるはずだ。」
「やったー( ^▽^)」
乗り込んだ馬車の窓から外を眺めるミユキ。
その、ワクワクして、キラキラした表情だけで、
連れてきて良かったと、まだ、目的地に着いてもないのに思ってしまった。
さあ、今日はホワイトデー。
愛しい君に捧げる何度目かのお返しは、
今までで一番甘く出きると思っている。
さあ、召し上がれ。
俺の真心を。
君へ。