第18章 付き合ってからのホワイトデー
カルエゴside
「駄目!絶対駄目!カルエゴ先生とミユキお姉ちゃんが、長時間一緒に過ごすなんて!絶対に駄目!」
「でもね、入間くん、」
「でもじゃないですよ、おじいちゃん!
学校で問題児クラスの皆とかの目があるならしも、
誰も居ない場所で、お姉ちゃんが、暗黒大帝エロ魔神と一緒だなんて!!僕、堪えられない!」
何だかおかしな単語が聞こえたが、
どうしたと言うのだ?
あの、自己主張の薄い入間が、ここまで駄々をこねて、一番無茶を振り撒く理事長すら、困らせているとは。
理事長は自業自得だが、このままではせっかくオペラ先輩からいただいた外出許可が無くなってしまう。
大体、何故、全てが拍子抜けするぐらいトントン拍子に事が運んで、快く許可をもらえたと言うのに。
最期の最後でこんな、どんでん返し。
はっ!?
理事長が、此方を「どうしよう?」と言う目でみている。
お前の孫だろ!?
自分で何とかしろ!!
オペラ先輩、そんな、「面白いですね?」って顔しないでください。
ぶっ飛ばしたくなります。
このままでは、埒が明かない。
どう、手を打つべきだ?
「入間~?ここに居るの?」
その時、聞きなれた声がした。
扉の影から顔を出したのは、入間の姉であり、
俺の恋人。
ミユキだった。
「あっ、居た!後で部屋に行くからって言ったのに、居ないんだもん。探しちゃったよ?」
パステルカラーのピンク色のニットワンピースを着ている。
体のラインがある程度出ていて、何とも、
目のやり場に困る。
「カルエゴ先生、ようこそいらっしゃいました。
外出しており、席を外しておりまして、大変失礼致しました。
本日は、我が家での滞在のご予定はどの程度でしょうか?」
「そうだな、入間に早く帰れと言われているので、
そんなに長くは滞在できないな。」
「まあ。入間?本当なの?」
「……よ、用事が終わったら早く帰って、とは、言った。」
「おもてなしもせず、帰すなんて。
お客様に失礼よ?」
「………ごめんなさい。」
最近は、オペラ先輩から花嫁修行として礼儀作法を習っていると言っていたが、大分様になっていた。
それこそ、魔界の貴族相手でも通用しそうだ。
そんな、ミユキの口調に、途端に、勢いを失くす入間。
何となく、垂れた犬の耳と尻尾が頭と尻に見えた気がした。
