第17章 誕生日(本誌ネタバレ注意)入間
「ミユキ姉さん。」
「…………ど、どうしたの?」
とある朝、入間からの呼び方がかわった。
「名前呼びだと、とても他人行儀だと思って。」
「…(まあ、もともと他人だけど。)
よしよし。」
頭を撫でる。
彼には、「家族」は、特別。
特に、魔界で出来た家族は、血の繋がりがなくとも、
じつの家族よりも近しい存在。
その存在に、私も、助けられている。
「……少し、怖かったんだ。
勝手に姉さん扱いして、嫌われたらどうしようって。
でも、もっと、我が儘になっても良いって、わかったから、もう少し、我が儘になろうと思って。」
「ふふふ。ありがとう。
私も、入間の我が儘なら、どんだけでも聞いてあげるからね?」
「ありがとう!でも、ほどほどにしてね。
無理しちゃ、もともこもないから。」
「そうね。
これからも、よろしくね。」
「うん!此方こそ!」
そう、その日が、丁度、入間の誕生日の日だった。
なる程、一区切りをつけたつもりだったんだな。
「入間!誕生日って大事なんだから、ちゃんと教えといて?」
「初めてのことだったから、思いもつかなくて、ごめんなさい。」
「……まあ、いいよ。泣かれちゃったし。
よしよし、お姉ちゃんとぎゅっ、しよ!」
「えっ!?」
「何?お姉ちゃんのぎゅっが受けられないの?」
「そ、そうじゃないけど、……ちょっと、恥ずかしい(///-///)」
モジモジする入間。
それが、
「もう!可愛いんだから!」
入間が来ないなら、此方から行くだけ。
ぎゅっと腕の中に抱え込んで、抱き締めた。
「ね、姉さん!?」
「いいの。貴方が産まれた事を祝う大事な日なんだから。」
「……はい。」
温かく、微笑ましく見守ってくれていた人もいれば、
「ぐぅぅ~、羨ましい( :゚皿゚)」×∞
「💢💢💢💢💢」(陰険帝王)
苦々しく、羨ましく思っていた面々もいて、
三者三様の反応だった。
「今度は、私の誕生日も一緒にお祝いしてね?」
「うん!!」
大事な私の弟。
血が繋がってなくても、
私達は家族何だと、再度、教えてくれた日だった。