第16章 誕生日(本誌ネタバレ注意)
「な、な、な、なんじゃこりゃあーーーー!?」
今日、私は、知ってしまった。
彼氏(心の)様の誕生日を。
オペラさんのマル秘手帳なるものを、拾って、うっかり見てしまったのが、運のつき?
いや、貴重な情報をありがとう!!
今度、なにかお礼します。
[お礼は、ミユキ様のお菓子で良いです。]
[脳内の声に返事しないで下さい。]
まるで、忍○まみたいに、別コマから登場して、回想に返事するやり取りは、置いといて。
今こそ、アレを、カルエゴ先生に渡す好機。
マジカルストリートで、一目惚れして、買ったもの。
今まで、渡せなかったこれを、先生へのプレゼントにしましょう。
しかし、あんなに悪い顔してるのに、
誕生日が、バレンタインデーとは。
人間界のイベントを見たら、きっと、サブイボ出して、寝込むかな?
キレて、暴れまわるのかな?
ふふふ。
可笑しい。
「何だ、ニヤニヤして。」
「ほわぁ!?」
考え事を(脳内の妄想お花畑にトリップ)
してる間に、バビルスに着いていた。
校内で最初に出会ったのが、カルエゴ先生とは、
ついているのか、ついていないのか。
「良いことがあったので、」
「そうか。
で、なにしに来た?今日は休みだろう?」
そう、今日は学校は休み。
生徒達だけ。
教師陣は仕事中。
「あ、あの。
この前お菓子、あげましたよね?」
「?ああ。」
「あの日、先生の誕生日だと知らなくて、
大分遅いのですが、プレゼントを、と思いまして。」
濃紺の包み紙に、シルバーゴールドのリボンがかけられた細長い、薄い箱。
つき出されたそれを、受けとる。
「…先生の好みじゃなかったら、捨ててくれても良いですから。」
拒否された時の言い訳じみた言葉をはく。
リボンをほどいて、包みも外す。
「!!これは、」
「あ、……これを見たとき、先生をイメージしてしまったので、先生に似合うかな、と思って、買いました。あの!本当に、要らなかったら、遠慮なく捨てて下さい。」
「いや。ありがたく使わせてもらう。」
「ありがとうございます!」
ほんのりと、口角を上げただけだが、カルエゴは微笑んだ。
それを見ただけで、嬉しくなったミユキでした。
後日、ダークパープルストーンのループタイをつけているカルエゴが、バビルスで噂に成ったのは、言うまでもなく。
