第14章 意識
夢を見た。
キス、する夢。
相手は、カルエゴ先生。
柔らかくて、熱い唇。
甘い、息苦しさもリアルで、
言い知れない幸福感に包まれた。
遠くで、ベルの音がする。
同時に、心臓の音も響く。
「先生、」
先生の顔が、表情が見たかったのに、
見えたのは、
天井で。
「あれ?」
ベッド横のチェストの上では、目覚ましがけたたましく鳴っている。
目覚めが悪いとはこの事か。
恥ずかしい夢を見た。
カルエゴ先生とキスをする夢。
恥ずかしい内容に、ベッドの上で、悶える。
感触を覚えている。
体がキスに反応して、熱くなる感覚さえも。
うぁ~
欲求不満?
学生に紛れてるけど、
本来はアラサーのおばさんだ。
思春期の青い性欲なんて、過ぎ去って、熟しすぎて、どろどろの性欲しかない。
でも、私、そこまで性欲強い?
いや、強く無い、はず?
………止めよ。
さっさと起きて、ご飯食べに行こう。
夢、何だから、そのうち忘れるはず。
いや~甘く見てた。
今朝の夢は、中々、頭の中から消えてくれない。
学校に登校してくれば、何故か、カルエゴ先生と絡むことばかり。
挙げ句、カルエゴ先生の唇にばかり意識が向く始末。
見れば、視るほど、カルエゴ先生の唇が魅惑的にみえてくる。
あの唇に触りたい。
あの唇に口付けしたい。
夢の中と同じように、熱くて、甘いのかな?
バチッと目があって、
「……ミユキ、何か質問があるのか?」
「!?、す、すみません。考え事してました。」
「…たるんでるぞ。放課後に補習授業だ。」
「はい……」
とうとう、注意されてしまった。
教室の中は、同情的な雰囲気だった。
でも、悪いのは私だし。
はぁ、ため息しか出ない。
放課後が憂鬱。