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魔入間短編

第13章 七夕



「相談とは何だ?」
「!あの、その事なんですが、」
「?」

何と言ったらいいのか。
この辺りの言い訳は考えていなかった。

もう、正直に言うしかない。

「先生、ごめんなさい。
相談事なんて無いんです。
先生と今日、どうしても星空を見たかっただけなんです。」
「……何故だ?」
「その、バラム先生の資料に今日は七夕だって言う日で、珍しい星座が見れると書いてあって、」

沈黙。
先生のバックが怖い。
怒ってますよオーラ。

「……それだけなのか。」
「はい。それだけです。」
「それは、他に知ってるものは居るのか?」
「いいえ。先生だけに見てほしくて、バラム先生にも言ってないです。」
「そうか。」

怒ってますよオーラが無くなった。

「……嘘をつかれたことは看過できないが、課外授業をしたいと言う気概は認めてやる。」
「あ、ありがとうございます?」
「で、その珍しい星座とはどれだ。」
「えっ、あ、はい。」

課外授業と言うことになったが、まあ、よしとしよう。

星座観察をする観察セット(防寒具とか軽食とか、温かい飲み物とかが入ったバスケット)を出す。

「……用意が良いな。」
「…まあ、課外授業ですから。」

夏の夜とは言え、冷えると思ったからの用意だった。

概ね、魔界の空も星は多くて、人間界の北海道の空みたい。
星座の配置は少し、違っていたが、天の川らしきものを見れて、大満足。

人間界の知識を披露すれば、余り表情は変えていなかったが、興味深く話を聞いてくれた。

大分不安だったが、カルエゴ先生を誘ってよかった。

その日は有意義な時間が過ごせてよかった。


後日、ミユキと星座観察をしたことをバラム先生に話したカルエゴ先生は七夕の話の内容を聞かされ、
ドギマギしたとか、しなかったとか。


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