第9章 スキ魔⑪の後日談
カルエゴ先生は暫く寝込んでしまって、
重ね重ね申し訳なく思った。
「おじいちゃん!?オペラさん!?」
「……ごめんなさい。」
「……申し訳ありません。」
2人をめちゃくちゃ怒ったことは言うまでもありません。
何故、そんな写真を撮ったのか、理由を聞けば、
浮いた話の1つもないカルエゴ先生に、女性の素晴らしさを知って貰うためとか。
ため息が出た。
おじいちゃんは、孫自慢の行き過ぎ感しかないが、
オペラさんに関しては、悪意すらある。
「カルエゴくんは、うぶですね。」
「オペラさん?」
逆に、トラウマとかにならなければ良いと思った。
避けられることも無いと良いなと思ったが、それは、都合がよすぎるだろう。
そんな、都合の良いことを考えつつ、カルエゴ先生の体調が早く良くなるように祈った。
カルエゴside
思い掛けず、ミユキの写真を手にいれた。
それは、学校では見ない、新しい1面を切り取ったもので。
教師としては、私情を挟むべきではないと解っているが、久しぶりに、心が弾む人物のものだったから、内心は興奮したのだ。
……性的な意味ではない。
そう、旨い酒や珍味を口に出来たときのような高揚感。
何故だろうか?
かの人物を一目見たときから、「気にかけなければいけない人物」との認識があって。
それは、入間とは又違う注目の仕方で。
最初の頃は、その感覚に抗った。
公平性にかけるからだ。
過度には手を出さない。
それで、折り合いをつけるつもりだった。
それが、これ程、近くに、密に関わることになるとは。
予想外。
そして、今では、心を乱す存在。
良くない。良くないぞ!
そう、これは、悪ドルにはまる感覚だ。
そうだ、そうに違いない。
生徒に手を出すのとは違う。
悪周期の発散方法の1つだ。
断じて、1生徒に絆されたのではない。
俺は、疲れているのだ。
悪周期手前で。
悶々としながら、早々に、そう、結論付けたが、シチロウの部屋で見た、最後辺りのセミヌードの様な画像に、理性のメーターが振り切れて、卒倒してしまった。
そして、寝込むはめになる。
それでも、
カルエゴのス魔ホの写メは消されることなく、保護までかけられて専用ホルダーに残されていることをミユキは知らないのでした。