第1章 あなたへ
朝イチ、食堂にくると、前日までに用意したバレンタインデーのお菓子をおじいちゃんとオペラさんに渡した。
大喜びするおじいちゃん。
「僕にくれるの!?やったぁー!!」
オペラさんもとても喜んでくれたらしく、耳がピンっとたっていた。
「ありがとうございます。ミユキ様。今日の夕食は腕によりをかけますね。」
入間君にも渡す。
「はい、どうぞ。」
「ありがとう。今日は何の日だったっけ?」
「人間界のバレンタインデーだよ。」
「あ、そっかーありがとう。初めて貰った。」
「そうなの?味はオペラさんが保証してくれたから。安心して食べて。」
「うん。」
喜んでくれた。
学校に行くために迎えに来たアズ君とクララちゃんにも渡した。
「何時もお世話になってるから、アズ君とクララちゃんにお菓子のプレゼント。」
「私めに?感激です!!」
「ほえ?」
バレンタインデーとは説明できないので、お世話になったから、と説明して、配りまくった。
クラスのメンバーにダリ先生、スージー先生やライム先生にも渡した。
他にも授業の合間に配れるだけ配った。
バラム先生にも持っていった。
「バラム先生、お菓子をどうぞ。」
「ありがとう。どうしたのこれ?」
「人間界では、2月14日はバレンタインデーで、好きな人やお世話になった人にお菓子を渡すイベントがあるんです。」
「へーそうなんだ。興味深いね。」
「国によって、違うんですけどね。」
「どんな風に?」
「日本では、お菓子メーカーが始めたんですけど、外国では、男性が女性に花を贈って愛を囁くイベントとか。」
「…ほうほう。」
メモメモと話をメモってる。
「いま、お茶を淹れようね。」
「あ、カルエゴ先生にまだ渡せてないので、今日はこれで失礼します。また、今度ゆっくりお茶をいただきますね。」
「そっか。またね。」
「はい。また、」
慌ただしくなってしまって、申し訳なかったな。
バラム先生の所からカルエゴ先生を探して校内をさ迷った。
ダリ先生達に渡したとき、職員室には居なかった。
その時に渡せてたらバラム先生の所でお茶をしても良かったのだけど。
居ないなー。
バビルスは広いから。
見かけたときに渡しとけばよかった。
と後悔する。