第7章 エイプリルフール
今日は、人間界ではエイプリルフールです。
誰かにオチャメな嘘をついてみましょう。
誰が良いかな?
食堂におじいちゃんが居たので、嘘をついてみましょう。
「おじいちゃん、おはよう。」
「おはよう。」
「おじいちゃん、私ね、結婚したい!」
「えっええ!?あ、相手は誰?」
「………カルエゴ先生?」
「ノォー!?」
ショックを受けて、固まった。
後に、更々と砂になって、散ってしまった。
慌てて、否定する。
「嘘、嘘だよ。」
「へっ、嘘?」
事情を話す。
安心してくれたようだけど、
「本当に、カルエゴくんとはなにもないよね?」
「何もないよ。」
「本当の本当に?」
「本当!」
「本当の本当の本当?」
「本当だってば~!」
納得させるのに苦労しました。
嘘つくときは、相手によっては下手こきますので、内容は慎重に考えてから、嘘をつきましょう。
オペラさんに同じ内容は、おじいちゃんの時より厄介になりかねないので、
「オペラさん。」
「何でしょう?」
「私、本当は男なんですよ?」
「はあ?」
まあ、分かりやすい嘘だと思った。
胸あるし、生理になるし、女の子だって、知ってるはずなのに、
「ど、どお言う事ですか?何時から、ミユキ様は男の子に!?」
「えっ?お、落ち着いて、」
「私の光源氏物語が!!」
「おい!?」
わかりやすい嘘に騙されて、欲望やら願望やら、野心やらを叫ぶ使い魔執事。
光源氏物語なんてよく知ってたな。
私の年齢じゃ当てはまらんがな?
計画を否定してやって、正真正銘の女であることは宣言したが、取り乱すオペラさんの耳には聞こえていないかも知れない。
返事が返ってくることがなかったから。
諦めて、その場を後にした。
入間にも試そうかなって思ったが、入間は留守で、他にターゲットを探しに外出した。