第6章 ホワイトデー
次の日、
皆に貰ったものを身につけて登校した。
毛糸の帽子や手袋、魔フラーにケープ。
どれも女の子達からの贈り物。
「まあ、着けてきてくれたの?」
「うん。温かくて、嬉しい。」
帽子はクララちゃんから。
手袋はケロルちゃんから。
ケープはエリザちゃんから。
魔フラーはアメリさんから。
皆、喜んでくれた。
私も、嬉しかった。
廊下を歩いているカルエゴ先生を見つけて、
声をかけた。
「カルエゴ先生。」
「……何の用だ。」
私は、辺りを見回し、誰も居ないことを確認し、
首元の魔フラーをほどいて、首元のブラウスのボタンを外して、胸元をみせた。
「あの、これ、ありがとうございました。
とても嬉しかったです。」
「……何て事を、」
カルエゴside
何を考えているのだ。
……胸元を見せて、誘っているのかとさえ思えた。
だが、この笑顔だ。
純粋に贈ったものを身に付けていると言うアピールなのだろう。
「早くしまえ。
この様子を見られたら勘違いされかねん。」
「あっ、申し訳ありません。」
いそいそと身だしなみを整えた。
やっぱり、これを贈ってよかった。
「……似合っている。」
「!?あ、ありがとうございます!」
小さな黄色水晶がついたペンダントトップの銀色のネックレス。
嬉しそうなミユキを見て、そう思った。