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魔入間短編

第6章 ホワイトデー



カルエゴside

さて、息込んだのはいいが。
何にしよう?

事実、この選ぶ作業は、難解を極める。
ミユキは、あまり自己主張をしないので、好き嫌いも把握することが難しい。

食べ物などの消えものでも良いかと思うが、どうせなら手元に残るものがいい。
なるべく、誰ともかぶらないもの。
俺が贈ったことが直ぐわかるもの。
……身に付けるものがいいか?
宝石?は、駄目だな。
あいつの性格上、絶対受け取らない。
アクセサリー、髪飾り、ネックレス、ブレスレット。
服と言う手もあるな。
……いや、これはあからさまか。
「脱がせたい」と言う願望を明かすなど。

いざ、買いに来て、実物を見て、手にとって、あれやこれやと考える。
中々決まらん。
若干、イライラしてきた。

そんな時、見つけたそれ。
一目で、あいつに似合うと思った。



3月14日。

シチロウから、渡すならこの日だと言われ、タイミングを計る。
しかし、今日は何時も以上にミユキの周りに誰かしらいる。
その手には大小の物があり、皆、私と同じ様な理由の輩が集まっていることを理解する。

くそ。
シチロウの言っていたことが現実になりかねない。
だが、焦ってしくじりたくはない。

タイミングを計るしかない。

夕方まで、観察していたが、人の行き来は途切れることがない。
渡せないままになるのか?

悪い方に考えれば、途端に自信がなくなった。

どんな事があっても、信じる我が道を行くスタイルなのに、一人の女に振り回されて、横道にそれてしまう。
情けない。

……もう、外は暗い。
生徒の姿もほぼない。
やっぱり、これもお蔵入りでいいか。
自棄っぱちになって、渡すのを諦めた。


執務室で、帰り支度をする。
明日以降の授業の資料とプリント関係をまとめて机の上に置く。

カサッと音をたてたポケットの物を引き出しに突っ込むと、多少軽くなった鞄を引っ付かんでドアに向かう。
今日は、帰ったらサボテンを眺めて、早く寝よう。
寝れば、スッキリするはずだ。
根拠の無い寝て覚めたらスッキリするする理論を掲げて、それを実行するために、早く帰りたかった。

ドアノブに手をかける、
同じタイミングでドアがノックされた。

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