第1章 甘い?甘くない?……やっぱり、甘い
「あら?それもう食べないの?私にちょうだい」
蜜璃ちゃんがあんみつ二皿を見つけてそう言う。居たわ処理係。
どうぞと蜜璃ちゃんに差し出すと、どちらもペロリと蜜璃ちゃんの胃の中へと消えていった。
蜜璃ちゃんも満足したのか、あれからおはぎ30個と杏仁豆腐5皿、ぜんざい3皿に黒蜜ぱふぇなるもの2皿を平らげると、ようやく注文を辞めた。
そこに見計らったように師範が懐をゴソゴソ。
「甘露寺、良ければこれを受け取って欲しい」
「まぁ、何かしら」
私が渡されたものと全く同じ箱を蜜璃ちゃんに渡す師範。蜜璃ちゃんも目をキラキラと輝かせている。
「まぁ、これ……ちょこれいとじゃない伊黒さん!」
「ああ。甘露寺の口に合えばいいのだが。」
「嬉しいわ伊黒さん!ありがとう」
蜜璃ちゃんが花のように笑うので、私までキュンとしてしまった。私がお礼言われたわけじゃないのに。
師範を見ると、案の定顔を赤くしていた。
蜜璃ちゃんの前での師範って可愛らしい。
「そ、そろそろ行くか」
そう言って師範が立ち上がるので、私達も立ち上がった。お勘定は師範持ち。
その後は蜜璃ちゃんが午後から任務があるとの事で、私たちは別れた。