第1章 甘い?甘くない?……やっぱり、甘い
今は師範と二人で街をブラブラしている。
と、その時装身具を打っているお店の前を通り、私の足が自然と止まる。それに続いて隣を歩いていた師範の足も止まった。
「気になるのか?」
師範がそう声をかけてくるので、なんでもないですと笑って去ろうとしたのだが。
「若い夫婦(めおと)だねえ!こんな別嬪なお嬢さんを貰って、あんた幸せもんだね!」
店主と思しきおじさんが、私達に笑いかけながらそう声をかけてきた。
め、夫婦!?私と師範が!?
それは師範にはとても失礼な言葉だ。
私なんかじゃなく、師範の想い人は蜜璃ちゃんなんだから。(噂で聞いただけだけど。)