第4章 ふわふわの綿菓子のよう
夕刻になり、日も陰ってきたので街から出て屋敷へと戻る帰り道。
「嬉しそうだな、」
「そりゃ嬉しいですよ!小芭内さんの瞳を綺麗だって言ってくれて、こんな綺麗な簪まで貰っちゃって……」
次の小芭内さんとのデートの時は、この簪を挿そう。
「そうか。お前が嬉しそうだと俺も嬉しい」
小芭内さんが袖を口元に持って行って目を細める。夕陽も相まって、凄く美しくてドキッと胸がなる。
所作一つ一つが美しくて、色っぽい。
「小芭内さんって、狡いですよね。
男の人なのに綺麗で、美しくて……」
「そうか?俺はお前の方が綺麗だと思うがね」
「色気とかが……私には無いものですから…」
私がそう言うと、小芭内さんは繋いでいた私の手を自分の胸に当てる。
「おっ……!」
「俺はお前に魅力を感じている。
その証拠に俺の心拍は速いだろう。
これでも緊張しているんだ、情けないがね」
ドクドクドクとかなり速い速度で小芭内さんの心の臓が脈打っている。
今日1日……小芭内さんはずっと、私を見てドキドキしてくれていたんだろうか。
私も、小芭内さんの手を私の胸に当てた。
「私も、ずっとドキドキしてました」
「……」
「一緒ですね。」
そう呟いた時、私の背後の草むらから
ガサガサと音がして、振り返ると