第2章 失いたくないあなただから
「頭怪我していませんか?」
「……問題ない。しかし、済まないな。
確かにこれではお前に大人しくしていろなど言えたものじゃない」
師範の眉尻が下がって、申し訳ないと言う気持ちがビシビシ伝わってくるので大丈夫ですよと微笑む。
なんとか左足に頼りながら立ち上がって、
箒を持って破片を払う。
「おい、無理をするな俺がやる」
師範に箒を奪われて、無理やり座らされた。
この人、私が継子になる前どうやって家事をやっていたのだろうか。非常に疑問である。
片付けはとりあえず師範に任せて、料理は結局私が作った。師範は何か言いたげだったけれど、これ以上皿を割られては困る。と私が言うとしょんぼり肩を落として、私を支えてくれていた。