第2章 失いたくないあなただから
何とか無事に夕餉を終えて、一息つけた。
「疲れた……」
思わず口に出してしまったが、本当に疲れたんだ。主に師範の家事ベタで。
「、風呂の湯が沸いた」
ぐでっとしていたら、師範が戻ってきたので背筋を正す。
「ありがとうございます師範。
どうぞ先にお入りになってください」
しかし師範は、私の斜め上の返答をしてきた。
「何を言ってるんだ?一緒に入るぞ」
「………………は!?!?」
いや、え?何を言っているのだこの人は。
一緒に入……?いやいやいや、聞き間違いだろう。いやしかし、あれだけハッキリと聞こえたのだ。聞き間違いなんてことは……。
え、本気?本気の本気?
「入るぞ」
いやコテンじゃないんですよ
首を傾げないで下さい
貴方自分が何言ってるのか分かってます??
「えっと、師範?聞き間違いでしょうか、
先程一緒に……と聞こえたのですが」
「ああ。共に入るぞ」
っ"っ"っ"あ"ーーーーーーーーー……。
本気じゃないですかこの人……
まだキスすらしていないのにイキナリ段階飛ばしちゃいます?