第2章 失いたくないあなただから
その瞬間、向こうの方からガシャーーン!!という大きな物音がして、同時にパリーーーン!みたいな音まで聞こえてきた。
「ひぇぇ……一体何をしているの師範は……」
絶対今のお皿割れたよね……。また買いに行かなきゃだなぁ。割ったの師範だし付いてきてもらおう。
「鏑丸無事か!?どうして突然皿が降ってきたんだ……」
師範の声が聞こえてきて、こっちが知りたいわ!と言いそうになった。
突然空から皿が降ってくるような場所に、
私お皿置いてませんけど!?
「大人しくしていろと言ったって、これじゃあ心配で落ち着かないですよ師範……」
そろそろと布団から抜け出して、四つん這いで台所へと向かう。
そこはもう死地と化していた。
「え、なんで土鍋が割れて……?」
「!?何をしている!
大人しくしていろと言ったではないか!」
師範が頭の上の──多分──皿の破片を払いながら叱責してくるがそれどころでは無い。
「すごい音がしたので心配で……あの、師範。
これでは大人しくなどしていられません」
頭の上に破片が乗っているという事は頭の上に皿が落ちてきたのか。