第2章 失いたくないあなただから
「い、ぐろ……さん、私だって……貴方がいなければ生きていけません……。だから、死ぬ時は一緒に……」
「ああ、ああ。死ぬ時は一緒だ。
言ったはずだ、俺は蛇のように執拗いと。」
私は、この人に愛されて、本当に幸せ者だ。
こんなにも強く、激しく、私を求めてくれる。
誰が手放せるだろうか。
こんなにも愛しいこの人を。
「あの〜……」
その時、完全に蚊帳の外にいたしのぶちゃんが声を発して、ハッとした私は師範の体に巻きつけていた腕を離す。
が、師範は私を離してくれない。それどころかそのまま目だけをしのぶちゃんに向けて
「なんだ」
と一言。