第1章 甘い?甘くない?……やっぱり、甘い
「まず、俺には想い人がいる」
「あ、はい。(だから蜜璃ちゃんでは…?)」
唐突に師範が語り出したので、考え事をしていた私は「あ、はい」としか言えなかった。
「その人には良く贈り物をしている」
「はい。(蜜璃ちゃんじゃん)」
「ちゃんと、口で、態度で、褒めている」
「……(蜜璃ちゃんじゃん。)」
「俺なりに甘やかしているつもりだが。」
「……。」
全部蜜璃ちゃんじゃん!!
何が違うのか誰か教えて欲しい。
「……分かったか?」
「はい。蜜璃ちゃんですね」
ニッコリと微笑んで答えると、何故か師範はカッ!と目を見開き、額に青筋を浮かべた。
え、いや怖!師範の怒ってるところ初めて見た!