第6章 ❀何度でも教えてください
「フゥー……」
その夜、小芭内さんと一緒に入浴していた。
小芭内さんを抱っこしたまま浴槽に浸かる。
「気持ちがいいですね、小芭内さん」
「うむ…」
パシャパシャと小芭内さんが顔を洗う。それをタオルで拭うと、小芭内さんがジッと見つめてきた。
「どうしましたか?小芭内さん」
私がそう聞くと、小芭内さんは考え込むように目を伏せてから、私を見据えた。
「お前、甘露寺に嫉妬しただろう」
「!」
ドキッと胸がなるが、なるべく平静を装う。
「私が蜜璃ちゃんにですか?
いえいえそんな事……」
「俺が甘露寺に抱え上げられた時、お前はムッとしていた。俺がお前の事で見間違えるはずがない」
私の言葉に被せるように小芭内さんがそう言う。ああ、この人に隠し事など無理なのだ。嫉妬深い低俗な女だと思われただろうか。
「……はい。ごめんなさい、嘘をつきました。私は蜜璃ちゃんに嫉妬をした心の狭い醜い心の女です。貴方に、不釣り合いですね」
私がそう言うと、小芭内さんは「はぁ、」と大きなため息を吐く。飽きられてしまっただろうか。私は貴方に捨てられたら生きていけない。
じわっと浮かんだ涙を、小芭内さんがペロッと舐めとった。