第1章 泣く
ため息をついた俺を涙目で睨んでくるがとりあえずお前は飯を食え。
まぁ今の話でやっとの話が5年前、俺が高校を卒業してホームからアパートに引っ越す日の事を言っているのだと分かった。
俺がホームを出る時、アンナは勿論だかその時ホームにいたガキどもは全員見送りに来て「アパートに遊びに行きたい」だの「ホームにくるときはお菓子買ってきて」だの好き勝手に騒いでいた。
ただ先人を切って土産のリクエストをしてきそうなはその場におらず、同じ部屋を使っているやつに聞けば声をかけたがベッドから出てこないという。
引っ越し用にレンタルした軽トラに荷物を積むのをアンナとガキどもに任せがいるであろう部屋まで戻るとベッドがこんもり山になっていた。
布団の上から軽く蹴りを入れてやっても顔を出す気配は無い。
「おい、さんざん世話になった俺の門出に顔も見せないつもりか?」
「ヒック…ぅ、っリヴァ、イ…置いてかないで…やだぁ」
顔を出さないままうわーんと泣き始めたにまだまだガキだなと笑ったのはよく覚えている。
無理矢理布団をひっぺがせば狭いところで泣きじゃくったせいで髪はボサボサ、顔は真っ赤なの顔があって余りの不細工さに余計笑ってしまう。
「フッお前どんだけ泣いたんだ。ぶっ細工なツラしやがって」
「っひど!ぅ…っく…うぅ」
おら泣き止めとベッドに座りを抱き締め頭を撫でてやる。
「リヴァイ、私、私ずっと…リヴァイの、事…」
「」
コイツが言いたいことなんて分かっていた。
でもまだその言葉は受け取らない。
自分の気持ちに気付いてから決めていたことだ。
「俺はな、ガキとどうこうなる気はない。
でもお前がいい女になった頃迎えに来てやる。だから待っていろ。」
「リヴァイが待ってろって言ったんだもん」
だから待ってたのに嘘だったのかと尚も愚図っているにムカついて舌打ちをする。
「馬鹿が。俺がお前に嘘をついたことがあるか?」
「……ない。多分。」
おい多分ってなんだ。
が飯を食い終わってることを確認して立ち上がる。
「行くぞ、ホームまで送ってやる。」