第1章 泣く
「リヴァイ、おはよう」
「あぁ、寝られたか?」
コクりと頷くに飯は食うのか聞けば実は昨日の夜から食べていなかったからお腹空いたと言われた。
まぁ昨日の話を考えてみれば納得だ。
適当にパンやスープを出してやり自分は紅茶を入れソファに座る。
「で?アンナとなぜ揉めたんだ?」
「えっ…」
先程が起きてくる前にホームに電話して最悪の事態は起きていないので安心するように伝えたが喧嘩の内容はアンナからは言いにくいからと濁されてしまっていた。
「言わなきゃ、だめ?」
スープマグを両手で持ち気まずそうにこちらを見てくるがこれだけ心配させておいて言わなくて良いと思うのか?
「ダメに決まってんだろ。」
「し、進路の事で…」
なんだ進学でもしたいのか?学費や生活費のやりくりを心配されて反対されたのか?
こいつがそんなに勉強好きだったとは思えねぇが。
「リヴァイはもう大人なんだから迷惑になるって言われた、子供の相手はしていられない筈だって。だから、昨日いつも大人っぽいメイクしてる友達に会って、遊ぶ前にメイクもしてくれるって言われて、自分も大人っぽくなれると思って…その…」
「はぁ?」
進路の話から急に俺の名前が出て来て俺としては当然のリアクションだったと思うのだが、おいコラなにまた泣きそうになってんだ。昨日からお前の涙腺はどうなっていやがる。
「だって!料理も、洗濯も掃除も、その為に頑張って覚えたんだもん!でもメイクは…買うお金ないし…。」
「待て待て待て、話が見えねぇ」
俺の言葉にバッとこちらを向いたの目にはもう涙が溢れそうで、顔に傷付きましたと書いてある。
そんな顔されても俺にはなんの事を話しているのかちっとも分からない。
「落ち着いて話せ。進路について揉めたんだな?アンナになんて話したんだ?」
「リヴァイが…」
俺??
「リヴァイが!迎えに来てくれるから一緒に住むって言った!リヴァイがホームを出るときに約束してくれたよね!?…忘れちゃった?嘘だった?
アンナさんは、それは私を慰める為のものだって。子供みたいなこと言ってないで就職か進学を選べって、げ、現実を、見なさいって…」
もう最後は泣き始めてしまったコイツに俺は昨日から何度目になるか分からない盛大なため息をついた。