第1章 泣く
ヤられてないのは何よりだが洋服を引っ張られたってことは脱がされかけたってことだろうがムカつくな。
「脱がされてはいないんだな?」
「うん」
乱交パーティーの様な場所にいながらよく逃げられたと思ったが、絡んできた男に他の女がキスをせがんだためその隙に逃げてきたという。
姉貴は知らねぇが少なくともの友達は(友達とは認めねぇが他に呼び方がねぇ)未成年の筈だ。
警察に通報してやろうかと思ったがを泣かせたヤツがどうなろうが知ったことでは無い。
「俺に嘘はついてねぇな?」
「ついてないっ…心配かけて、ごめ、なさいっふ、うぇ、ぅあーんっ!!」
本格的に泣き崩れるを抱き締める。
どんなに怖かっただろう。
何LINEなんかで連絡してきてんだよ、電話すればどこにでも迎えに行ってやったのに。
今までの比ではないほどわんわん泣いてるにどうやらもう隠し事はないと安心する。
泣きすぎで過呼吸を起こしそうなに水でも飲ませるかと立ち上がろうとするが…離れねぇ
「リヴァ…イぃ、ひっく、ふぇ…」
「どこも行かねぇよ、水とってくるから待ってろ」
「ひと、りに、しなっでぇ、うぇっ」
聞いてるか?俺の話を。
いや聞いてねぇよな、張り詰めていたものが切れたのか、話したことで恐怖が蘇ったのか、いやいやと首をふりながら泣きじゃくっているを仕方なく抱き上げる。
「っえ!?重いっから!!」
「あぁ?お前がしがみついてたんじゃねぇか。」
でもだのだってだのゴタゴタうるせぇが涙はだいぶ引っ込んだらしい。
まだヒックヒックとガキのように愚図ってはいるかさっきよりはだいぶマシだ。
キッチンまで行きを下ろすと冷蔵庫の水を渡してやる。
あれだけ泣いたらそりゃ喉も乾いていただろう、ゴクゴクと一気に飲んでいくを見ながら時計をみればもう3時だ。
「今日はもう寝ちまえ、寝室かしてやる。」
「え、でもリヴァイは」
ソファで寝ると言えばそれなら私がと抗議してきたが無視してが着れそうなスウェットを出してやる。
「ベッドでちゃんと休め。水も持っていけ。」
今日何度目か分からないがの頭を撫でると小さな声でありがとうと言って大人しく寝室に入っていった。