第2章 酔っぱらい
立ち上がった俺の足をボカスカ叩きながらバカバカと連呼してくる。
普段とのギャップがありすぎて俺だけでなく周りの人間も呆気にとられてしまう。
「私は今日!休みだったんです!!!」
大して痛いわけでもないが好き放題殴られているのも癪なのでの腕を掴んでやめさせるとブンッと勢いよく振り払いながら今日は休みだったと叫ぶ。
だからなんだ。
飲み会に誘ったのがそんなに嫌だったのか?誘わない方が拗ねるのではないかと思ったのだが違ったのだろうか?
「ひとつ前の休みは10日前でした。
14日前は急な大雨で訓練が午前中で終わったので午後から半休でした。
3週間前は半年に1度の連休でした。」
自分の休日を淡々と語りはじめるにいよいよ何を言いたいのか分からない。
「兵長は…お休みの日も執務室で結局働いていらっしゃいますし、お手伝いしようとしてもリヴァイ班の皆さんが優秀だから私の出る幕ないし…」
ここまできてなんとなくだかコイツの言いたいことが分かった気がする。
拗ねてるな?
確かに最近は以前にも増して忙しくなり俺はほぼ休みがない状態だし、だって休みと言いつつ新兵の訓練を見てやったりエルヴィンの伝令をこなしているので働いてる様なものだ。
他人の前では甘えるどころか公私混同を徹底的に嫌うとゆっくり話したのは何時だっただろうか。
忙しさにかまけて放っておきすぎたかもしれない。
ハンジやエルヴィンも感づいたのか笑っていやがる。
クソッ
「おい、分かったから部屋戻るぞ、お前もこい。」
とりあえず文句は俺の部屋で聞いてやるからとを立たせようとするが子供のようにバタバタあばれる。
「兵長は全然分かってませんっ!
忙しいから、休日に働くのだって、その分きちんと休息をとる為に夜はしっかり寝なくちゃいけないのだって、仕方ないことだって、弁えているつもりです。
でも!今日は!王都の会議から早くに帰って来てくださって、お疲れだとは思ってたけど、少し位、二人で会えるのかなって…久しぶりにキスとかしてくれるかなって思ってたのに…飲み会って!!!!バカー!!!!ハンジさんもなんで今日なんですかー!!
もー!飲まずにやってられるかー!!!」