第2章 酔っぱらい
久しぶりに飲もうと騒ぎだしたハンジにエルヴィンが王都の酒を差し入れたことから始まった飲みの席。
ハンジの酔い具合からしてそろそろ気色の悪い巨人話が始まる頃だと思い自室に戻ろうとしたその時だった。
「兵長、お隣失礼します。」
「……どうした。」
恋仲とはいえ他人の目がある時に俺の側に自ら来ることがほとんどないが突然隣に座るので何事かと思う。
「兵長、カンパーイ」
「は??おいお前酔ってるな?」
グラスを合わせようとしてくるがどうも距離感とテンションがおかしい。
一瞬機嫌が悪いのかと思うほど真顔の癖にグラスを持ってない方の手は俺の膝の上に乗せてくる。
ハンジが「ヒューヒュー!でました!人類最強カップル!」とかほざいてるが無視だ無視。
「、もうやめておけ、水にしろ。」
「嫌です。まだ飲みます。」
目が座ってんだよ。
ペトラが気をきかせて水の入ったグラスを差し出しても大丈夫だからいらないと断っている。
どこが大丈夫なんだ。
酔っ払った兵士の世話をしているなら何度も見たことがあるがコイツのこんなに酔ったところは初めてで正直どう対処すべきか分からない。
とにかくこれ以上飲ませるわけにはいかないので空になったグラスに酒を入れようとしているの腕をつかんでやめさせる。
「いい加減にしろ」
「嫌、です!離してください!!」
割とでかい声で抵抗したに少し離れた場所で飲んでいたやつらまでこちらの異変に気付き寄ってくる。
めんどくせぇ。
「じゃぁお前は好きなだけ飲めばいい。俺は部屋に戻る」
俺に対して意固地になっているのかと思い後はペトラにでも宥めさせようかと立ち上がる
「兵長の…」
「あぁ?」
「兵長のバカーーーーーー!!!!!!」
「あっはっは!!最高!バカって!あっはっは!ケッサクー!」
「分隊長!黙っててください!!」
モブリット手遅れだ。そのイカレ眼鏡は後で削ぐ。