第2章 鱗滝さんの恋愛事情【鱗滝左近次】
紗英さんを抱き上げ、居間と繋がる客間の襖を開ける。
既に敷かれた布団の上にそっと彼女を降ろした。
『…お顔…』
「…え?…顔、ですか?」
『…怖い天狗の面の下に、こんな優しいお顔が隠れてるなんて…思わなかったわ。』
そっと俺の頬を指の腹でなぞり、微笑んでいる。
「……こんな顔は、好みではありませんでしたか?」
頬をなぞる紗英さんの指に自分の手を重ねた。商売柄水を触ることも多いだろうに、その手は驚くほどに滑らかで思っていたよりもずっと小さかった。
『…好き、とても…もっと色んなお顔見せて下さい…』
紗英から口付けされ、今度こそ理性の糸は焼き切れた。
既に少し着崩れた浴衣の帯紐を性急に解き、そのまま浴衣を脱がせ生まれたままの姿にした。
「綺麗だ…ーー、まだ何もしてないというのに…乳首をこんなに勃たせて…」
そう言われ、顔を真っ赤にしながら慌てて乳房を手で隠そうとするが、それを許しはしなかった。
「隠さないで。…全部見せて下さい。」
先程よりも丁寧に、その頂に触れれば耳を擽る甘い声が漏れる。
初めて女を抱くわけではない。けれど、紗英さんがその身を俺に預けてくれている事実が、初めて女知る少年のように貪欲に渇きを埋めようと興奮させる。
部屋に響く甘い声。わざと音を聞かせるように水音を立てながらその身体を徐々にあばいてゆく。
首筋や乳房をくまなく愛撫すれば次第に熱が篭ってゆく下半身。
紗英さんが僅かに腰をもどかしげに揺らしたのを見逃さなかった。
「…此処も、欲しくなってきましたか?」
脚を左右に割り、その中心に軽く触れると其処は既に布団を濡らすほどに潤っており、その潤いに導かれるまま膣内へ指を2本差し込んだ。
ぐちゅん、っぷ…
『!!.…っああ!、ぁ…っ、指っ…太いっ!』
白い喉を反らしながら一際甲高い声が漏れる。一層掻き立てられる欲。…その喉元にかぶり付き小さく紅い華をいくつも散らした。
膣内から何かを掻き出すように天井を刺激し、ぷくりと主張している桃色の花芯を弄る。
『ひゃぁっああっッ!!だめっ…ぁ、出るぅっ…!!!止めっ、もうぅ…っ!!!』
「………、見せて…紗英…」