第16章 そんな君さえ愛おしい【煉獄杏寿郎】
『…っ、き…杏寿郎の…っ、硬いの……、ん…ここ…欲しい…っ』
手が使えないため、自分から腰を振り昂りに蜜口を擦り付けてみせた。
言葉で表すのは…正直これが精一杯…。
自分で擦り付けるのも…大概だけど……、でも…
「…驚いたな。」
『え…?…っ、あああッ!!き、急に…っ!?い…っあ、ああ!』
杏寿郎の返事を聞き返そうとした途端、私の奥深くへ一気に押し込まれる硬い、昂り。
やたら大きな水音と、肌のぶつかる音が部屋に響く。
「…っ、これが…ッ欲しかったんだろ?!」
『ひ…ぁ…ッ!…ぅ、…っああ!!深い…っ、だめ…っ!』
「ダメなわけあるか…っ、こんなに咥え込んで…!…っ、締め過ぎだなっ!」
もう、どうしようもなく喘ぐしか出来なくなる。
力強く腰を打ち付けられ、足先にまで力がこもり何度も、何度も…締め付け達してしまう。
自分の愛液が溢れ、その生温さが臀部を伝う感触さえも苦しい程に感じ入ってしまい、もう…淫に乱れるとは、まさにこれだと…白む意識の中で思った。
「…っ、紗英…っ」
私の名前を何度も呼ぶ、その声さえ…今の私には媚薬のようで。
『は、…もっと、…もっと呼んで…っああ、ッ…!』
杏寿郎の声を何度も求めた。
「…こんな、姿…っ、他の誰にも見せてくれるなよ…!」
少し困ったように眉を下げながら愛おしそうに微笑む。
わかってる…、こんな…こんな乱れた姿見せられるのは…
杏寿郎しか、いないの。
もう、喘ぐ声しか出せない喉の代わりに首を何度も縦に振り返事をすれば、最奥を突かれ…一瞬意識が遠のきそうになる程の快感が身体中に巡った。
「…、いい子だ…っ!」
杏寿郎も限界に近いのか、少し堪えるような表情で私を見下ろしている。
『も…、っ…ぁ、う…いっちゃ…ッ、また…ぁッ!』
「ああ…、…っ俺も…っ」
もう何度も、何度も登り詰めた絶頂に…また、杏寿郎に連れて行かれる。
「…!…っ、紗英……っ!」
私の名前を呼び、震える腰を抱き寄せながら…
熱い白濁を放った。