第16章 そんな君さえ愛おしい【煉獄杏寿郎】
『ぃ……っ、良いの…ッ!気持ち、良い…からぁ!!…っああ!!?』
杏寿郎の指が、ゆっくりと蜜壺の中の天井を押すようにストロークさせる。
「…確かに良さそうだな。シーツまで垂れてきているぞ?」
『は…っ、ぁ…や、そこ…っだめぇ…っ出ちゃう、…ッ出ちゃうからぁあ……っ!』
杏寿郎の指が私の良いところをゆっくり、ゆっくりなぞる。
それだけ。…それだけなのに……
ちゃぷ…と音を立て控えめに潮が溢れる。
『やぁ…ぁ、ッ…あ…っ、出てる…っ…』
潮を吹いたのを境に杏寿郎の指が先程よりも早く動き、ビクビクと揺れる腰を止める事が出来ない。
そして、…その指の動きに合わせて、あっという間に登り詰め潮を噴きながらイッてしまった。
「イッたな。…こんなに濡らして、締め付けて、噴き上げて…今までなかったが、そんなに良かったか?」
手についた愛液を舐める様を、私に見せつけるようにしながら問われる。
達した余韻でぼんやりしたまま、その光景を見上げ…短く呼吸を繰り返し、息を整えていた。
『よ…か、…た。…良かった、から……も、…杏寿郎…頂戴…?』
杏寿郎は返事をしないまま、使っていたローターをベッドの端へと追いやり、私の上に体重をかけないようにもたれてくる。
「…どこに?、なにが?…欲しいんだ、紗英。」
片足を肩に担ぎ上げて、グリっと私の蜜口へ昂りを上下に往復させ擦り付けながら聞いてきた。
『ひ…ぁ、…あ…それ…っ…中に…っ!』
「それ?…中とは…こちらか?」
愛液を纏った昂りがズリュっと滑りお尻の方へと押し当てられる。
『や…っ!??ちが、嫌…やめて…っ…そこじゃない…っ!』
つい、本気の抵抗をすれば、杏寿郎はすぐさま小声で悪かった…と呟き頬にキスをした。
「すまない。…怖がらせたな。…もう一度、教えてくれないか?」
優しく笑い、改めて問いかけられる。
…とはいえ、そんな事…言われても……どう、伝えれば…
口に出すの?…さすがに、それは…恥ずかしいんだけど…
「…紗英?」
…だから、そんな困り顔で…見てこないで欲しい…
その顔で、簡単に思考回路が奪われてしまうのよ…