第16章 そんな君さえ愛おしい【煉獄杏寿郎】

まだ私の膣内に埋められたままの昂りが、最後の一滴まで出そうと時々ピクっと震え、その感触に…私の身体は杏寿郎を締め付け、離すまいとしている。



「…っ、よもや…離れ難いのか？…随分締め付けるな。」


にこやかに頬を撫でながら聞いてくる杏寿郎。


『ゃ…も、無理……』

「身体はそうでもないらしいぞ？」

『い…ぁあ…っ、も…ぅ…ふ、あ…っだめ…、ぇ』


ずぷ…と、水かさを増した音が其処から聞こえ、熱覚めやらぬ杏寿郎の昂りがゆっくり、ゆっくり何度か前後し…やがて抜かれた。




「紗英…」


名前を呼ばれたかと思えばキスが降ってきて…

カチャン、と…また控え目な音を立て手錠が外される。



ずっと伸ばされていた腕を動かし始める時は少し強張って…若干痛みが走ったけれど、すぐさま解かれた腕で杏寿郎を抱きしめた。


『…やっぱり、手錠は…もういいかな……』

「む。…俺も同意見だ。」


抱きしめる腕を少し緩め、杏寿郎と目が合わせれば…ふっと、柔らかく笑った。




「…情けない言葉かも知れないが、俺はこの腕に抱かれていたい。」


リップ音を立て、二の腕にキスをする。



『…私も。…ずっと、この腕の中にいて欲しいわ。』




まるで男女逆転のようなお互いの言葉に、少し笑いつつ抱きしめ合った。






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「…なんで突然、おもちゃ買ってきたの？」


事後、お風呂から上がってきた杏寿郎にサラっと聞けば…わかりやすく固まってしまった。


…え、なに。この明らかに動揺してますって反応。


「いやなに！…その…、宇髄が……たまにはそういうものを使ってみるのも……良いと……」

『…せいぜい生徒に聞かれないようにね……』

「…穴があったら入りたい…。」


なんだかもう色々可愛らしく見えて、後ろから杏寿郎の腰に抱きついた。


「！？…紗英？」

『…乱れた姿は、満足できた？』

「…っ、…ああ、想像以上だった。」

『じゃあ……また、しよう…？』



小声でそう言えば杏寿郎は驚いたように、こちらへ顔を向けた。


その顔は悪い「男」の顔で


「…まだまだ色々あるからな。…試してみようか？」


そう言って、妖しく笑い腰に巻いた私の手を強く握り締めた。