第2章 おつかい
「ミキ、もうアンタ部屋戻って勉強しなさい」
「やーだ。大ちゃんと遊びたいぃ~」
「遊びにきてるわけじゃないんだよ。ゆっくりできないだろ」
「あ、大丈夫。俺も楽しいから」
「ごめんなさいねぇ、うるさくて…。あら。割り箸きれちゃったわ。ミキ!物置見てきて」
「割り箸もうないよ」
「え?」
「こないだ出したとき、最後だよって言ったじゃん」
「あらっ!そうだった?」
「そうだよ。何も聞いてないんだから」
「あらー…」
あらー…。女将さんウッカリ(笑)。
「ちょっとミキ、急いで買ってきて」
「え―――ッ!?今からぁ!?」
「今日明日の分だけでいいから。これから予約のお客さんの仕込みもあるし…母さん動けないんだから。頼むよ」
「えええ~…。もう真っ暗だよぉ?」
「あ、俺一緒に行こうか」
「ホントぉ!?」
「ちょっ。いいって大ちゃんっ。せっかくゆっくりしにきたのにっ」
「いーよいーよ。ホントに暗いし。最近危ないでしょ。女の子の一人歩きは」
「わーい。じゃー行くー♪」
恐縮しきってる女将さんをなだめて、ルンルンなミキと外に出た。
ホントにもう真っ暗。日が落ちるの早くなってきたなー…。