第2章 おつかい
「はぁ~…なるほど」
途中抜けてる毎日写真。定点じゃないからちょっとズレてるけど、でも育ってく様子がよくわかる。
「面白いね、これ」
「でしょー?」
「パラパラ漫画みたいじゃない?こうすると…ホントに生きてるみたいだな」
「でも一番いいとこ見逃したんだよー?もー最悪。やる気なくなっちゃって。ま、自分が悪いんだけどサ?」
海行ってお祭り行って遊び歩いた日の夜に熱出して。その後しばらく寝込んで。やっちまったーってカンジらしい。
「あー…いいね、海。お祭りとか。楽しそう。友達と行ったの?」
「そう。みんなで。大ちゃんは行かなかったの?今年の夏休み」
「夏休み…ないからねぇ」
「ないの!?」
「ないよ。欲しいけど」
「う~わっ。ないんだ」
「シャカイジンはないでしょ、たぶん」
当たり前でしょって女将さんが呆れてる。
「えー、ムリー。夏休みないとかありえない…」
「でも連休とかさ、増えてるじゃん」
「あー、そうだよね。シルバーウィークとか?」
「そうそう」
…俺はそこも仕事だったけど。
あ~、夏休みか~…
いいねぇ、いい響きだねぇ…