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【O】ぬくもり(気象系)

第1章 思春期



「素敵ねぇ」
「…こんなんじゃないし。全然違う」
「こーらミキ!」
「いーよいーよ。本物はキレイだったんだろうね。俺も見たかったな」
「…写真、あるよ。途中までだけど」
「あ、ホント?」
「見る?」
「見たい見たい」
「じゃ、持ってくる…」

そりゃ写真にはかなわないからね。しかもこんなテキトーな絵。ゴミゴミ。

クシャクシャッ…

「アッ!」
「えっ」

な、なに…?

「あたしが、捨てとくっ」
「う、うん…?」

丸めた紙くず、むしり取られた。


「素直じゃないから(笑)」
「?」

女将さんが笑ってる。ふと、二階上がってくミキの方を見たら…階段の途中で、何かやってる。太腿の上で両手でせっせと…何か伸ばしてる…?あ、アレさっきの紙くずか?


「…フフッ」

確かに。ホント素直じゃない。

でも、何か嬉しかった。嫌われちゃったかなって思ってたし。ちょっとホッとしたかも。

ま、絵はね、本当にちゃちゃっとテキトーに書いたヤツだから。

それは…


「ちゃんと捨てといてよー?」
「!?わ、わかってるよっ!!」


頼みますよ?ホントに。

大事に取っとかれたりしたら恥ずかしいからね?(笑)

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